アブダクション~仮説と発見の論理(米盛裕二)を読んだので、内容を整理する。
- アブダクションとは論理学者のチャールズ・パースが提唱しているもの。
- 彼によると推論は①演繹、②帰納、③アブダクションの3種類に分類される。それぞれの推論の特色は以下のとおり。
- 演繹
- 推論の内容を考慮に入れずに推論の形式(前提と結論の間に成り立つ論理的形式)のみによって真なる前提から必然的に真なる結論が導かれる。
- 帰納
- 経験にもとづく蓋然的推論。限られた経験に基づいて一般的言明を行う推論。
- アブダクション
- 仮説的推論。仮説を導くための推論。
- 分析的推論と拡張的推論という分類
- 分析的推論
- 演繹推論はこれにあたる。
- 前提と結論の含意関係の分析のみに関わり、外的な経験的事実の世界には関わらない。そのため経験的事実による反証にさらされない
- 前提の中に暗々裏に含まれている情報を解明し、それを結論に明確に述べるだけ。
- 拡張的推論
- 帰納推論やアブダクションはこれにあたる。
- 結論は前提の内容以上のことを主張する。
- 帰納推論の場合は「部分」を述べる前提から「全体」へ知識を拡張する。
- アブダクションの場合は、前提(事実)からそれを説明するため仮説へ拡張する。
- 帰納とアブダクションの関係
- 仮説は帰納を積み重ねるだけでは仮説は生まれない。
- 例えばリンゴが落ちるのを何回も観察して一般化しても「万有引力」という仮説は生まれない。
- アブダクションにより仮説を生み、仮説を帰納で推論するという関係。
- アブダクションの推論の形式は以下のように定式化される。
- 驚くべき事実Cがある。
- しかしHならば、Cである。
- よってHである。
- アブダクションは、事実Cの観察からそれを説明しうると考えらえる仮説Hを推論するため「遡及推論(retroduction)」とも呼ばれる。
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